サイフォンの原理とは?わかりやすく身近なもので解説!

自然のチカラだけで噴き出す噴水

「自然のチカラだけで噴き上がる噴水?!」

先日、旅行で立ち寄った金沢市の兼六園で、そんな噴水に出会いました。どうやら『日本最古の噴水』と言われ、電気やガソリンなどの動力を使わず、水を噴き上げているのだそうです。

「え? これってどういう仕組みなの???」

という投稿をFacebookにしたところ、

逆サイフォンの原理だそうですよ♪」

という有難いコメントを頂戴しました(^-^)

……ですが、ここで更に深まるナゾ。

「逆サイフォンって何?」

「サイフォンって、あのコーヒー作るときのヤツ???」

「それが、なんで噴水と関係あんの?」

ということで、

  • サイフォンの原理とは何なのか?
  • 『日本最古の噴水』にどう使われているのか?
  • サイフォン式のコーヒーとの関連は?

などなどについて、身近な実例を挙げながらまとめていきます!

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「サイフォンの原理」とは?

まず、「サイフォンの原理」とは何かと言うと、わかりやすい事例を出せば、灯油ポンプです。

石油ストーブとか石油ファンヒーターのタンクに、灯油缶から流し込むやつですね。

サイフォンの原理を利用した身近な例は、灯油ポンプ

あれって、最初は手でポンプをシュコシュコ握る必要がありますが、いったん流れ始めると、後は何もしなくても灯油が流れていきますよね?

あれが実は、「サイフォンの原理」なんです。

 

金魚の水槽の水交換

灯油ポンプでイメージしにくい場合は、金魚の水槽の水交換がわかりやすいかもしれません。

金魚の水槽の水交換にも、サイフォンの原理を活用できます!

水槽にホースを突っ込んで、それを低い位置にあるバケツにつなぎ、ホースの先端からストローのように思いっきり空気を吸ったら、水槽の中から水が流れ出てくる。そして、いったん流れ始めたら、水槽の水が無くなるまで、ホースの中を水が流れ続ける、という現象です。

これって、水槽から水がホースの中を移動するとき、水が重力に逆らって上へ動いていますが、これも「サイフォンの原理」によって起こっています(先ほどの灯油ポンプも、灯油が管の中を駆け上がる現象が起こっていますよね?)

 

高低差を利用して水を動かす

これを言葉にしてまとめると、

ホースのスタート地点の水面が、ゴール地点の水面よりも高ければ、途中のホースの高さに関係なく、液体はゴール地点に向かって流れ続ける

ということになります。

*ただし、あまりにもホースが長かったり、途中でホースが曲がり過ぎたりすると、流れません(^^;)

*また、ホース内が液体で満たされている必要があります。灯油ポンプでも、管の中に空気が残っていると、手でシュコシュコしないといけないですよね?

 

一言で言ってしまうと「水は高い位置から低い位置に移動する」ということにはなります。

ただ、水のスタート地点とゴール地点に高低差があれば、途中の経路(ホースやパイプ)が上下しても水は流れ続けるというのが、「サイフォンの原理」なのです。

 

「逆サイフォンの原理」とは?

では、「逆サイフォンの原理」とは何なのでしょうか?

先ほどの「サイフォンの原理」では、スタート地点からゴール地点に水が移動するときに、いったん水が管の中を上昇して再び流れ落ちる、という現象が起きてしました。(灯油ポンプ、水槽の水交換、どちらにも起きていますね)

「逆サイフォンの原理」は、この“逆”を行きます。

水がいったんの管の中を流れ降りて、再び上昇するという現象が起こるのです。

 

アンパンマンが教えてくれる「逆サイフォン」

この「逆サイフォンの原理」を説明するために、とっておきのものがありました!それは、2歳の娘が愛用している『アンパンマン あそびいっぱい! よくばりバケツ』です。

よくわかるように、動画で説明しましょう!

 

自然のチカラで動く噴水

そう。これこそが、兼六園にある『日本最古の噴水』の秘密です。

自然のチカラだけで動く噴水には、逆サイフォンの原理が使われている

『アンパンマン よくばりバケツ』で、ばいきんまんのシャワーから水が噴き上がっていたように、スタート地点の水面よりもゴール地点が低ければ、水が上へ向かって駆け上がる現象が起きるのです。

先ほど「サイフォンの原理」でお伝えしたことと同じですね。

スタート地点の水面よりゴール地点の水面の方が低ければ、その2点をつなぐ経路がどうであっても、水はゴール地点へ移動する。

 

つまり、自然のチカラだけで動く『日本最古の噴水』は、この水面の位置関係を利用して作られたものだったのです。

現に、噴水のそばには こんな看板が立っていて、噴水よりも高い位置にある池から、地下を通って水を引き込み、噴水にしているとのことでした。

日本最古の噴水は、高低差を利用して噴き上がる

*兼六園の噴水は1861年にできたそうですが、その時代に水を通す管を作れたことや、池中に埋める技術があったことが、個人的には驚きでした!

 

身近に活用されている「逆サイフォン」

「でも、噴水のほかに何に使うねん?!」

となられるかもしれません。ですが実は、この「逆サイフォンの原理」は、けっこう身近なところで利用されていたりします。

その一つは農業用水です。

僕の近所にも、農業用水路が道路を横断しているところがあります。ここに「逆サイフォンの原理」が使われているのです。

「逆サイフォンの原理」が農業用水路に活用されている事例

ここでは、道路を挟んで田んぼが広がっているのですが、水源が片方にしかありません。ですので、上流から流れてきた水をいったん道路の下に流し込み、そこから「逆サイフォンの原理」によって道路の反対側に駆け上がらせているのです。

*もっと詳しく知りたい方は、YouTubeでの解説動画をどうぞ☆

つまり、「逆サイフォンの原理」によって、水路の流れが止まることなく、水路も道路をジャマすることなく、お互いがスムーズに活用できているわけですね。

こういったケースは全国にも多いそうですから、ご自宅の近くにないか探してみると面白いかもしれません♪


……と、ここまでが「サイフォンの原理」と「逆サイフォンの原理」の説明でした。ですが、次は、もっと気になる“あのこと”について、触れていきたいと思います。

“あのこと”とは……そう、「サイフォン式コーヒー」です。

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コーヒーの「サイフォン式」とは?

サイフォン式コーヒーというのは、こだわりの喫茶店などでよく見かけますね(^^)

フラスコみたいなガラスの容器に、お湯がポコポコと沸騰して、コーヒーの香ばしい香りが漂っている……そんなやつですね。

どうやら、ドリップ式よりも手間がかかるそうですが、ここではコーヒーの味のことは置いておいて、「サイフォン式」の原理を紹介しましょう!

サイフォン式コーヒーの原理とは?

先ほどまで説明してきた「サイフォンの原理」&「逆サイフォンの原理」では、液体の「高低差」が主な要因でしたが、コーヒーのサイフォン式はちょっと複雑です。

この「高低差」に加えて、「熱」「圧力」という要因が加わります。

どういうことかと言うと……

 

サイフォン式コーヒーの手順 

コーヒーのサイフォン式

まず、サイフォン式コーヒーを淹れるためには、上下2つのガラス容器が必要です。そして、下の容器には水、上の容器には粉砕されたコーヒー豆が入っています。

この上下2つの容器を、温められた水(お湯)が行ったり来たりすることで、コーヒーの液体が出来上がります。

手順としてはこうです。

  1. 下のガラス容器に水を入れ、火にかけて温める
  2. 沸騰したら、コーヒー豆の粉が入った上のガラス容器を置く。(この時、下の容器と上の容器は、漏斗(ろうと)で接続される)
  3. 下の容器には沸騰した水(=湯)があるので、圧力が高い。一方、上の容器は常温なので、容器内の圧力は低い。よって、圧力が高い方から低い方へ力の流れが起こり、下の容器の湯が漏斗の管を通って、上の容器に昇る。
  4. 上の容器に昇った湯は、そこでコーヒー豆と混ざり、コーヒーの液体が作られる。
  5. 下の容器の火を止める。すると、下の容器の温度が下がるので、容器内の圧力も減少する。
  6. 先ほどとは逆に、下の容器の圧力が低くなり、圧力が高い上の容器から下の容器に向けて、力の流れが起こる。
  7. 上の容器で出来上がったコーヒーの液体が、下の容器に降りていく。(上の容器と下の容器をつなぐ漏斗にはフィルターがあるので、コーヒー豆の残りカスは通過せず、液体だけが下に落ちる)

 

って……言葉が多くて、複雑になってしまいましたね(^^;;

ですが、要点をまとめるとカンタンで、

  • 加熱で圧力を上げて、水(お湯)を下から上へ押し上げる
  • 加熱を止めて圧力を下げ、再び水(お湯)を上から下へ降ろす

という、2つのポイントだけです。

つまり、「温度調節で圧力変化を起こし、液体を上下させている」ということですね。

*この方法によって、どうして美味しいコーヒーができるのか?は、また別の記事で書きたいと思います!!

 

今までの事例との違い

今までの……

  • 灯油ポンプ、水槽の水替えなどの「サイフォンの原理」
  • 日本最古の噴水、アンパンマンバケツなどの「逆サイフォンの原理」

は、単に高低差を利用した液体の上下移動でした。

ですが、この「サイフォン式コーヒー」は、熱と圧力を利用した液体の上下移動なのです。

 

「サイフォン式」は「サイフォンの原理」ではない?!

ここでお気づきでしょうか……?

実は「サイフォン式」のコーヒーは、「サイフォンの原理」ではないのです。

今までお伝えしてきたように、「サイフォンの原理」&「逆サイフォンの原理」は、高低差を利用した液体の移動でした。ここに加熱の概念はありません。

それに、ウィキペディアによると、

サイフォンの原理の説明の多くは大気圧の力によるとされているが、ヒューズは、正しくは重力によると指摘している。

Wikipedia「サイフォンの原理」から引用

となっています。

つまり、「サイフォンの原理」とは重力によって働くものであり、「加熱」や「加熱による圧力変化」のことは含まれていないのです。

ですので、コーヒーの「サイフォン式」は、実は「サイフォンの原理」ではないと言えます。(って……僕は専門家ではないのですけどね。でも、どう考えても、この結論にたどり着きます。もし間違いがあったら、ご指摘くださいm(_ _)m)

 

それでもやっぱり「サイフォン式」

あ。そういえば、肝心なことをお伝えし忘れていました!(>_<)

「サイフォン」とは、ギリシャ語で「チューブ」「管」を意味します。

「サイフォン式コーヒー」も、管でお湯を上下させているので、「サイフォン」を使っていることに変わりありません。

「サイフォンの原理」は使っていないけれど、「サイフォン(=管)」で淹れるのが「サイフォン式コーヒー」なのです♪

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

サイフォンの原理について、わかりやすくなるよう身近な実例を交えてお話ししてきました。

要点をもう一度まとめると……

  • 高低差のある2つの容器の液体を、チューブなどの管で接続すると、水面の高い方から低い方へと液体が移動する。
  • その際、液体のスタート地点がゴール地点よりも高ければ、途中の管がどんな経路になっても、液体は流れ続ける
  • 灯油ポンプ、水槽の水替えなど、管の中をいったん水が上昇し再び降りていくのが「サイフォンの原理」
  • アンパンマンバケツのシャワー、日本庭園の噴水などのように、管の中をいったん水が駆け下りて再び上昇するのが「逆サイフォンの原理」
  • 「サイフォン式コーヒー」は、上下2つの容器を漏斗(ろうと)で接続し、下の容器を熱して圧力を上げることで水を上昇させ、次に熱を冷まして圧力を下げることで水を下降させる。
  • 本来の「サイフォンの原理」は、高低差だけで液体を移動させる。それに対し、コーヒーの「サイフォン式」は加熱による圧力変化なので、「サイフォンの原理」とは言い難い。
  • でも、「サイフォン=管」の意味なので、「サイフォン式コーヒー」はやっぱり「サイフォン式」♪

となります。

こんな風に「サイフォンの原理」は、身近なところに沢山使われているので、少し気をつけて探してみて下さい(^-^)

そうすれば、何気ない日常がもっと楽しくなるかもしれませんよ♪

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