『香川照之の昆虫すごいぜ!』からテレビ離れの原因を探る!

『香川照之の昆虫すごいぜ!』からテレビ離れの原因を探る

“テレビ離れ”していた僕が、「テレビを見たい!」と強く思いました。

ここ数年、テレビを「面白い」と感じることが少なくなり、テレビを見なくなっていました(見るのは、娘が好きな『アンパンマン』くらい(^^;)。ですが、そんな僕が、「テレビを見たい!」「この番組は見たい!!」と思ったのです。

その番組とは、『香川照之の昆虫すごいぜ!』

俳優の香川照之さんが昆虫について熱く語る番組だそうですが、2016年10月10日の放送以来、ネット上で大きな話題となっています。僕も、Facebook友達の投稿を見て、「すごく面白そう!」と感じたのです。

そして、明日(10月23日)には再放送があると聞き、「めっちゃ見たい!!」という想いに突き動かされています。

ですが同時に、

「あれ? なんでこんなに見たいんやろう?」

「というか、テレビ離れが進んでるのに、なんでこんなに話題になってるんやろう?」

そんな疑問が浮かんでいます。

もしかしたら、『香川照之の昆虫すごいぜ!』には、テレビ離れを覆す何かが詰まっているのかもしれません……。ということで、

  • 『香川照之の昆虫すごいぜ』が、ここまで話題になっているのは何故か?
  • そこから見えてくる、テレビ離れの原因とは?

を検証していきたいと思います!!

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テレビを支える2つの要因

最初に結論を行ってしまうと、『香川照之の昆虫すごいぜ!』が話題になった要因は、大きく2つあると考えています。それは……

  • 製作者&出演者の“情熱”(本気度、純粋さ、「好き!」という想い)
  • 視聴者を巻き込む“一体感”

です。

そして、逆に言うと、昨今の“テレビ離れ”は、この2つの要因が無くなったことで起こっているのです。

って……これだけだと意味がわからないですよね? 次から少しずつ説明していきます!(^^)

 

テレビ離れの原因はインターネット?

テレビ離れの原因はインターネット?

テレビ離れの原因として、一般的に良く挙げられるのは、インターネットです。

多くの人がパソコンやスマートフォンを手にしたことで、ニュースや娯楽コンテンツをインターネットから得るようになった。だから、テレビを見る人が減ったのだ、という説明ですね。

ですが、ハッキリ言ってしまうと、これはウソです。

少なくとも、『香川照之の昆虫すごいぜ!』が広まった過程を見れば、「テレビ離れの原因はインターネット」という説は当てはまりません。なぜなら、このテレビ番組の話題はSNSやブログで拡散されたからです。

もしインターネットが無ければ、この番組は多くの人に知られることなく、時代の影に埋もれてしまっていたでしょう。つまり、テレビ番組も、その内容が魅力的であれば、インターネットの力によって視聴者を獲得できるということなのです。

 

テレビの最大の長所とは?

もちろん、インターネットの普及によって、テレビの立場が脅かされたことは確かです。ニュース配信はインターネットの方が早いですし、見たい動画や音楽も、インターネットなら好きな時間に好きな場所で楽しむことができます。

それに何より、「放送日時が決まっている」というのが、テレビの弱点とされます。

テレビ離れが進む背景には、

  • テレビは巻き戻しができない
  • ドラマの放送時刻に遅れると、途中から見る羽目になる
  • ネット動画なら、時間に関わらず、最初から見ることができるのに……

といった声があると言いますから。

ですが、本当にそうでしょうか?

むしろ「放送日時が決まっている」からこそ、テレビはインターネットにはない最大の長所を発揮することができます。それは何かと言うと、「視聴者を巻き込んだ“一体感”を生み出すことができる」ということです。

そして、『香川照之の昆虫すごいぜ!』も、この“一体感”を生み出すことに成功しているのです。

 

人は“一体感”に価値を感じる

『昆虫すごいぜ』の考察を進める前に、まず“一体感”とは何かをお話ししておきましょう。

この“一体感”というのは、わかりやすい例で言えば、ライブ会場などで聴衆が一斉に盛り上がる、あの感覚や雰囲気です。好きなアーティストの元に大勢の人々が集い、その時間と場所を共有しながら、みんなで一つになって楽しみを分かち合い高め合うということですね。

一体感とはライブの感覚

好きなアーティストの音楽を聴きたいだけであれば、そのCDを購入すれば良いだけです(今はダウンロード販売も広まったので、スマホ一つで音楽を手軽に楽しめます)。ですが、そのCD代より遥かに高い金額を払って、わざわざライブ会場に足を運ぶ人も多いですよね?

これはつまり、

  • 同じ場所
  • 同じ時間
  • 同じ感覚(価値観や興味関心)

を共有することに、大きな価値を感じることを意味します。

もっと昔からの事例を挙げるなら、祭礼や儀式も“一体感”を生み出すものだったと言えるでしょう。時間と場所と感覚を共有し盛り上がるというのは、昔から全国各所で“祭り”として行われていました。

つまり、人間というのは、“一体感”に価値や喜びを感じる生き物なのです。

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テレビが生み出す“一体感”とは?

では、テレビの生み出す“一体感”とは、どんなものなのでしょうか?

先ほど、ライブ会場の例では「同じ場所」「同じ時間」「同じ感覚」を共有できると書きましたが、テレビでは視聴者が全国各地に散らばるので、「同じ場所」という要素は欠落します。ですが、

  • 同じ時間
  • 同じ感覚(価値観や興味関心)

は、テレビを通して共有することができます。

ここで、先ほど「放送日時が決まっていること」が、テレビの最大の長所とお伝えしたことを思い出していただけますでしょうか?

そう。「放送日時が決まっている」からこそ、それを見る人たちは「同じ時間」を共有することができるのです。

放送日時が決まっているからこそ、一体感が生まれる

昭和時代のプロレス放送

これも、わかりやすい例を出せば、力道山のプロレス放送です。

僕は1981年生まれなので、実際に体験したわけではありませんが、テレビが普及し始めた当初、街の電気屋さんに置かれたテレビに人が集まり、みんなで一緒にプロレスを観戦したと聞きます。

そうやって、日本各地の人々が、「同じ時間」と「同じ感覚」を共有し、テレビを通して“一体感”を感じていたのです。

こういった経緯を踏まえると、テレビという媒体は、「いち早く情報を提供する」とか「面白い番組を提供する」とかだけではなく、「視聴者に一体感を生み出す」という側面を持っていると言えます。

「放送日時が決まっている」からこそ、インターネットでは成すことができない、視聴者を巻き込んだ“一体感”を生み出すことができるのです。(最近は、インターネットの動画でもライブ配信が行われていますが、規模的に見れば、まだまだテレビの方が優勢ですよね)

【『バルス祭り』という一体感】

力道山でイメージが湧きにくい場合は、『バルス祭り』を例に取るといいかもしれません。

『バルス祭り』というのは、ジブリ映画『天空の城ラピュタ』のテレビ放映で起こる現象ですね。映画のクライマックスで主人公たちが唱える「バルス」という滅びの呪文を、視聴者たちも一斉にSNSで「バルス!」と投稿するのです。

これもまさに、テレビが生み出す一体感です。ただ単に「バルス!」と言いたいだけなら、個人個人の好きなときに投稿すれば良いですが、わざわざ決まった時間に「バルス!」と投稿するのですから。「同じ時間」と「同じ感覚」を共有したいことの表れでしょう。

 

 

テレビ局と視聴者の“分離”

ですが、昨今のテレビを見ていると、“一体感”を生み出せなくなっているように感じます。そして、テレビ離れの原因は「一体感が無くなったこと」だと考えるのです。

「一体感が無くなる」とは、もう少し具体的に言えば「製作側(テレビ局)と視聴者の間に距離ができてしまったこと」です。つまり、テレビ局と視聴者が“一体”でなくなり、“分離”してしまったのです。

テレビ局と視聴者が「一体」ではなく「分離」してしまった

同じ目線に立っていた昭和

先ほどのプロレス放送の例で言えば、視聴者だけが力道山を応援していたわけではなく、テレビ局(実況アナウンサーなど)も一緒に力道山を応援するというスタイルが出来上がっていました。

つまり、番組製作者やテレビ局は、「視聴者に情報を提供する」という“向き合う”図式ではなく、テレビ局も視聴者と同じ目線に立って、“同じ目標を目指す”カタチが成り立っていたのです。

「テレビ局」と「視聴者」というのは、単に役割を分担しているだけで、究極的には「力道山を応援する」という一つの大きな目標に向かっていたというわけです。だからこそ、そこには大きな“一体感”が生まれていました。

 

同じ目線と目標を失ったテレビ

ですが、最近のテレビを見ていると

  • テレビ局が視聴者と同じ目線に立つ
  • 両者が同じ目標を目指す

という図式はなくなったように感じます。

現在では、

  • テレビ局は情報やサービスを届ける「提供者」
  • 視聴者は、それを受け取る「お客様」

であり、対立する図式になっているのです。これでは製作側(テレビ局)と視聴者側の間に距離ができ、一体感が生まれにくくなってしまいます

こういった“分離”が起こったことで、本来テレビが持っていた“一体感”が欠落し、テレビ離れが加速することになったと考えられるのです。

 

香川照之さんが取り戻した“一体感”

ですが、今回、話題になっている『香川照之の昆虫すごいぜ』は、この“一体感”を取り戻しました

『香川照之の昆虫すごいぜ!』からテレビ離れの原因を探る

今回、SNSを見ていて興味深かったのは「再放送を見たい!」という声が多かったことです。そして、僕自身も「再放送を見たい!!」と強く思っています。

ですが、冷静に考えれば、これってとても不思議なことです。なぜなら、現在のネット上にはテレビ番組の動画もたくさんアップされており、番組の内容だけを見たいのであれば、あえて再放送を見る必要は無いのですから。

もちろん、そういったテレビ番組をアップした動画は著作権違反です。ですから、違法動画を推奨するわけにはいきません。ですが、現実の話として、『昆虫すごいぜ』も きっとネット上にアップされていて、いつでも誰でも無料で見ることが出来てしまうはずなのです。

ですが、SNSを見る限り、「再放送を見たい!!」という声が多くありました。

これはつまり、「時間が決まっている正規の番組を見たい!」ということを表しています。敢えて、時間的な制約がある「再放送」への興味関心が強まっているのです。

 

一体になるには“核”が必要

これは、先ほどの「“一体感”に価値を感じる」という話から説明できます。

あえて放送日時が決まっている再放送を見て、多くの人と「同じ時間」と「同じ感覚」を共有したいという気持ちが働いているのではないでしょうか?(録画はダメなのかというと、そんなことはありません。「同じ再放送を見た!」という事実ができることで、楽しみを共有することができます。今回の番組は「NHKのEテレであること」も話題になっていますからね(^^))

そして、ここでもう一つ大事なことがあります。なぜ『香川照之の昆虫すごいぜ』は、多くの人を巻き込むことが出来たのか? ということです。

先に答えを言ってしまうと、それは香川照之さんが放つ“情熱”です。この“情熱”が核となり、多くの人を巻き込み“一体感”を生み出す源泉となったのです。

 

“情熱”こそが一体感を生み出す

一体感を生み出す核となるのが“熱さ”

この“情熱”というのは、別の言葉で言い換えれば、「本気度」とか「純粋さ」とか「愛」とも表現できます。

今回の『昆虫すごいぜ!』に限って言えば、香川照之さんの「昆虫が好き!」という純粋な想いですね。番組では終始、香川さんの熱い「好き!」が貫かれていると言います。

それゆえに……

  • 「え? あの香川照之が、昆虫探しで地面を這っている!」
  • 「なんてこった! そんなに昆虫が好きなのか?!」
  • 「日本が誇る名俳優を、そこまで虜(とりこ)にする昆虫の魅力って何?」
  • 「てゆーか、単純に、そんな香川さんを見たい!」
  • 「やっぱり香川さん、大好き!!」

という反応が多く起こっているのです。

普通、「昆虫」と言えば、多くの人が関心を示さないものです。特に女性には、昆虫が苦手な人が多いでしょう。ですが、香川さんが「好き!」という情熱を全開にすることで、今まで昆虫にまったく興味がなかった人までが、この番組に関心を持つ結果になりました。

つまり、香川さんの“情熱”が核(コア)となり、その“情熱”に人々が集い、その“情熱”に共鳴することで多くの視聴者に“一体感”が生まれる、という流れになっているのです。

 

視聴者と同じ目線で同じ方向を

そして、もう一つ大きなポイントは、香川さんが視聴者と同じ目線に立っているということではないでしょうか。

あ。僕はまだ放送を見ていないので、ネット上の声を見ていての推測でしかないですが、今回、香川さんは……

  • 昔から昆虫が大好きで、昆虫から沢山のことを学んできた
  • そんな昆虫の魅力を、みんなで一緒に感じようよ!

という姿勢を貫いていると言います。

つまり、「視聴者に提供する」「教えてやる」という姿勢ではなく、「一緒に楽しみましょう!」とう視聴者と同じ目線に立ったスタイルなのです(というか、むしろ地面を這って、目線を低くして(^^;;)。そんな香川さんに共感や関心が集まり、視聴者と一体になる雰囲気が生まれているというわけです。

*「正規の再放送を見たい!」というのは、そういった香川さんの懸命な姿勢に対する、視聴者からの礼儀や畏敬の念が表れているのかもしれませんね

 

“情熱”を失ったテレビ

情熱を失ったテレビ

ここまで見てくると、テレビ離れが進む原因は、非常にシンプルだとわかります。テレビ離れのそもそもの原因は、“情熱”が失われたことなのです。

この“情熱”がなければ、人々を惹きつける核が出来上がらず、結果的に“一体感”も生まれないことになります。

ですから、今回、『香川照之の昆虫すごいぜ!』に込められたような“情熱”を取り戻すことが、今のテレビ局に必要なことなのかもしれません。

  • こんな素晴らしいものを世の中に届けたい!
  • 視聴者と一緒に、これを楽しみたい!
  • 世の中をこんな素敵な未来に変えていきたい!

『昆虫すごいぜ!』では、香川さんが今までの経歴を一切抜きにして、ひたすら昆虫への愛を語っているそうです。

  • 地面を這いつくばってでも
  • 過去の実績や経験を捨ててでも
  • メンツや採算など度外視してでも

世の中に届けたい“情熱”。それが、今のテレビに必要とされていることだと思えてなりません。

いえ。テレビ局だけではなく、今の日本の多くの企業や団体にも、必要なことかもしれませんね。

 

テレビ離れの原因まとめ

いかがでしたでしょうか? 『香川照之の昆虫すごいぜ!』を切り口にして、テレビ離れの原因を探って来ました。

もう一度整理してまとめると……

  • テレビの最大の長所は、視聴者を巻き込んだ“一体感”
  • 放送日時が決まっているからこそ、「同じ時間」と「同じ楽しみ」を、テレビを通して多くの人が共有できる
  • 人々を惹きつけ“一体感”を生むには、“情熱”が核となる(本気度、純粋さ、愛、「好き!」という想い)
  • テレビ局は“情熱”を取り戻すことが必要なのではないか?(いえ。テレビ局だけではなく、日本中の多くの企業が)

という感じになります。

この記事では、テレビに限定して話を進めて来ましたが、ビジネスやボランティア活動などにも当てはまることだと思います。あなたにとって、少しでもプラスになれば幸いですm(_ _)m

とにかく、明日は『昆虫すごいぜ!』の再放送です!! よかったら、あなたも一緒に見ませんか?

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